ある視点







くまんばちのリズム過去を巻きもどす





 記憶の底で乱舞波のかけら





この道のどこか磨けばひかる石拾う





こんな陰にも人の生きざま弦桔梗





片道切符 ときの重さを握って





行き止まりラベンダーが首を振る





思惑のずれ余白に滲み出す





罪の蕾かくれんぼおしゃべりなすずめ





未熟ぶどう色唇とがらせて





可憐を脱ぐ予感柚子の重さ





背を向ける娘少しづつ寒くなる





閉ざした窓に母心へばりつく





十字架が歪む胸かわいていないか





心はいつも崖っぷちボタンかけ直す





ある視点古い背表紙に生き還る








           自由律俳句誌 「青い地球」

             '98年度 新風賞受賞