寂夜   


十戒が空に闇夜が割れる   



凍夜琴線に触れるアベ・マリヤ   



冷たく時を刻む夜毎の動悸   



背を向けても追って来る月の蒼白   



無の標点雪の妖精が舞う   



薄氷を割る娘の軽い口   



肌を刺す氷雨ひとことに温もる   



振り返る影に刺さった棘を抜く   



覗いて見たい思春期の吹き溜まり   



制服を繕うどこかにある接点
   




2001年4月