紫苑の根っこ
祖父 齋藤 白鳳
河東碧梧桐門、「三昧」「海紅」を経て独自の句作活動を続けた。
角館「かも川吟社」主宰、新鋭を育てた。句集に「楢寒」があり、
角館町田町山に句碑がある。
山笹傾斜冬去った足音 痩せた貌雪堀笹食う牛 泰平うたう鶏林木冬をまもり これ家路皿小鉢音し窓明り めでたし青木譲葉わがしあわせ 雪山響き木立兎木立に逃れ 足向く方皺に瘠せて行く雪原 続く縁先苔枯れいろを苛なみ 丁字路風狂う白い杖と盲導犬 夢の夢と光琳にいろどりて醒め ![]() |
父 電 徹人
大正15年初句作、父白鳳の無言の感化による。
日本大学歯学部卒。医学博士。
「海紅」「蘆火」を経て、「青い地球」29号より参加。
「青い地球」誌運営委員、「眉」主宰、
口語俳句協会幹事長、現代俳句協会会員であった。
句集に「白契」、東京都福生市に句碑がある。
![]() まじめな冬をぬけてきて泥だらけの杭 冬の太陽をにぎるいつも素手 命が凍る肺の悪魔が右か左か 冬夜の家が鳴る肺の中の悪魔ども 槇の木に神がきて白いちぎりの太古 一刀枯葉が空へ降らすおののき 昼月の困苦 蓑虫 蓑の中 心臓がものを言う水引草の赤い旋律
絶句 二句 あれこれ深まる沈丁夜のつぼみ やすらぎを背負ってくるみんな夕やけ
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母 齋藤 経子
学生時代から同人誌などに小説や詩を発表、ペンネーム、小汀純。
電徹人の誘いで自由律俳句を始め、「海紅」に投句、
昭和38年ごろより「青い地球」に参加、
後に、母校明治大学女子同窓会の活動の一環として自由律俳句を取り上げ、
「眉」発足に貢献した。
電徹人没後、昭和61年に、遺句集「白契」発行。
![]() この舟は磯のにおい板の間に座り直す 船ばた叩く音 昔知ったこだわり 蜻蛉ふと止まる段差気になる ハンガーのコート呑気に年を越す 死ねぬまだ死んではならぬ梅の丈幼い 雑巾固く絞って大河ドラマ始まる 牡蠣を食う湯気の向うかわいた咳 女が耐える鉄仙のうすい紫 七夕のハサミ自由にきる子の色紙 枠ぐみたしかに有った 仏事消える
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以上「青い地球」編集発行人
日下部正治氏による
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