暖かい夕陽


遠ざかる夕陽あしおとひたひた


枯葉めくるとはにかむ縮図


プラタナス手のうち見せている自嘲


枯葉ひそひそ脈絡が砕ける


後ろめたさの落日を追う照る葉





道化の視線鏡の自画像をめくる


厳冬少年を生かして欲しい欅


ひび割れたガラスの目無実


少年の雨音ゆきどころなくたたく





呼びかける風紋1枚の絵


霧氷きらめく月よ罪をかくす


孤高へ逃げるいくたび揺らめく炎


嘘を嗅いでも暖かい夕陽





冬木の自我死角に神がいる


明暗どちらも転びながら雪道


凍て蝶透き通る命の種を播き


骨の鳴る音一つが重い坂道


生き急ぐなとしわくちゃな夕陽


夕焼けを従えている今日の自負


冴夜結晶となって思慕が降る





1999年度作品より