同軸ケーブルの電気長(短縮率)を知る

アンテナに同軸給電する場合、給電点でのSWRが1ではない場合、同軸の長さにより手元(シャック内)で計るSWRは
給電点のSWRとは異なってきます。これば同軸に定在波が存在するためで、ハシゴフィーダーで場所(長さや位置)によりインピーダンスが変わることからも分かります。
そのため、シャック内でアンテナ給電点でのSWRを比較的正確に測定するには、電気長がλ/2の整数倍の同軸を使う必要があります。
電気長λ/2の整数倍の同軸では、先端のインピーダンスが手元に投影されるからです。
この原理を使い、同軸の電気長を求めてみます。
下は30mの5D-FBの先端をショートしアンテナアナライザー(AA-54)で1.05MHzから6.05MHzまでスイープしたグラフです。
丁度4MHz付近でインピーダンスが最小となり電気長が4MHzでλ/2となることが分かります。
2MHz、6MHzでインピーダンスが無限大となることから2MHzでλ/4で、6MHzで3λ/4の電気長となります。
この5D-FBで3.5MHzのアンテナに給電する場合、逆算すると34.3mの整数倍の長さにすれば良いことになります。
計算としてはL=30m×(4MHz/3.5MHz)となります。
グラフを見ると分かりますが、実数部(赤い線)は電気長λ/2前後であればほとんど変わりませんが虚数部は大きく変わります。
このため、同軸の電気長がλ/2の奇数倍でない同軸を使いシャック内でSWRを測定し、それを元にアンテナ長を調整するのは厳密に言えば正しくありません。
しかし実数部が同軸の特性インピーダンスに近い場合、同軸長に、そんなに神経質になる必要はありません。


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補足:電気長λ/2、λ/4の性質